Yufu, Oita, Japan / 大分県由布市
2018
磯崎新氏設計のJR由布院駅舎の隣に、由布市ツーリストインフォメーションセンター(YUFUiNFO)を設計した。
磯崎氏の由布院駅舎は、木造交差ヴォールトの屋根がのった中央のコンコースのタワーを中心に左右対称にウィングが広がるシンボリックな建築で、それに対する呼応が求められた。パピルスの茎を束ねたような形態の石の束ね柱(エジプト建築のパピルス柱)のようなものを木造でできないかと考え、日本で加工が可能な集成材の2次元加工のみで作れる二方向のY字型束ね柱による交差ヴォールト的空間を作れる木造架構をデザインした。
機能的には、観光客の急激な増加で現駅舎では乗客の待合や情報提供サービスが十分にできず、スーツケースを持った乗降客が外に溢れ出て、駅前の交通の混乱に拍車をかけていた。そこでYUFUiNFOでは、1階に待合も兼ねた九州全域の観光情報案内スペースや荷物の預け入れ機能があり、2階の「旅の図書館」へはスロープで、周囲の景観を楽しみながらより由布岳を望める外部の展望デッキへと続く。建物は出来る限り透明にして、プラットフォームや車窓からも街が見え、街からも列車が見えるよう、単純なガラスの箱を作ることとした。