This design for a glass artist’s atelier is located in the garden next to an existing house. An office-use steel shelf system was explored as the main structural frame that is also easy to assemble. The height of the ceiling and the width of the room correspond to the module of the L-angle. Steel plates which connect the angles are purposefully designed for strength and connectability so that even the roof framing can be simply built by tightening bolts. Students of the Shigeru Ban Laboratory at Keio University joined designing joints and assembling this steel framework.
This atelier will become a glass craft classroom or a gallery to exhibit glass-works.
フランスのブルゴーニュに昨年完成した「ブルゴーニュ運河博物館」に続く、組立式スチール棚のLアングルを構造材に活用した、ガラス作家のアトリエである。
ブルゴーニュ運河博物館におけるLアングルの構造的役割が、鉛直荷重のみを負担する柱であったのに対して、このアトリエにおいては柱であるだけでなく、屋根の骨格である登り梁として構造も負担する梁、トラスとしても機能させている。
そもそも穴空きのLアングルは、軽く、誰でも容易に組み立てが行える。そこで、慶應義塾大学環境情報学部の坂茂研究室の学生が鉄骨の組み立てを行うことが念頭におかれ、Lアングルの接合部のディテールの検討と試作を学生が行った。
スチールの接合プレートには、床部分では1−2方向のみからLアングルが集まるが、小屋組と棚を繋ぐ部分では6方向から集まってくる。そこで、それぞれの接合部の形状を、Lアングルがプレート内に収まり、又、接合の強度とボルト締めの施工性が保てるようにミリ単位の調整を重ねて決め、ボルトを締めるだけで屋根の架構まで簡単に組み立てる事を実現した。
Lアングルのスチールの厚みは2mmと薄いが、組み上げられたLアングルのフレームは人が載れる位頑丈で、重いガラスの板や作品を載せたり吊したりというアトリエとしての機能にも応えている。
敷地は、幹の太い樹が多く育ち、苔が美しい緑濃い場所であり、それがとても印象的であった。そこで、出来るだけ多くの樹を残すか移植をして、窓から大きな紅葉が臨めるように建物を配置した。外壁は緑青色の鋼板で覆って、風景に馴染むようにしている。
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